新年あけましておめでとうございます。この度、SEEDきょうと立ち上げ当初から理事長を務めておりました野間が退任し、副理事長を務めておりました水原が理事長に着任することになりました。野間前理事長は今後も相談役兼理事として、SEEDきょうとの活動に携わって参ります。また新たに副理事長には池上が着任いたしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
理事長が交代しても、摂食障害を中心に生きづらさを抱えられた方々を地域で支援していくSEEDきょうとの方向性は変わることはありません。今後とも末永く、SEEDきょうとの活動をご支援いただけますよう、心よりお願い申し上げます。
相談役兼理事(前理事長) 野間 俊一
*理事長就任のご挨拶*
SEEDきょうと設立当初から活動を行い、これまでSEEDきょうとの副理事長を務めておりましたが、令和2年12月15日より前理事長の野間俊一の後任として理事長に着任することになりました。
この10年でSEEDきょうとはまさに「種」から成長し、NPO法人となり、「プティパ」を開所するに至りました。この成長は、この活動の大切さを理解し、支えてくださった摂食障害の当事者、ご家族の皆様、また志を同じくする多くの支援者やボランティアスタッフの皆様の、心からの献身のおかげであると痛感しております。
すでにSEEDきょうとの活動は、京都での摂食障害治療ならびに支援における核となりつつあり、治療者同士の横のつながりにも寄与し、当事者やご家族の方が安心して回復に取り組むための一助となっていると考えております。
しかしそれでもまだ、さらによりよい医療・福祉の連携体制を作り上げていくために、できることやなすべきことが、たくさん残されていると考えております。
「摂食障害からの回復のために、手を取り合ってできること全てを」
新理事長として、この思いをもって、相談役兼理事の野間、副理事長となる池上明希をはじめ、他のSEEDきょうとスタッフとともに、まさに当事者の方・ご家族・支援者で手を取り合ってできること全てをSEEDきょうとで取り組み、発展させていきたい所存です。今後とも、SEEDきょうとの活動に、ご理解とご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
理事長(前副理事長) 水原 祐起
設立主旨
他の先進諸国と同様に、近年日本においても拒食症や過食症が増加しています。摂食障害は思春期から青年期にかけての若年女性が比較的高率に罹患し、かつ非常に高い死亡率であるにもかかわらず社会問題としての認識は依然として低く、その対策は不十分なままです。摂食障害の病因や病態は複雑で、治療開始から回復・社会復帰に至るまでに、生物・心理・社会といった多方面からのアプローチが必要です。現在の日本の医療において、摂食障害に対する十分な診療システムは構築されていませんが、今後も全てを医療の枠組みのみで扱っていくことは有効ではありません。
自助グループや家族会も各地で徐々に組織されていますが、摂食障害の専門的な知識を持つスタッフがいない形での運営は、不安定となりやすい問題もあります。社会復帰に向けて当事者が継続的に利用でき、摂食障害の専門家がリードする形で、明確な方向性をもった施設を設立することは、医療者・当事者・家族それぞれから望まれています。一般的な精神障害者の通所型障害福祉サービスは、疾患特性の違いもあるため利用が難しく、摂食障害を専門的に扱う通所支援施設の設立が必要と考えられますが、関西にはそのような施設は存在しません。
私たちは上記のようなニーズを受け、平成23年に京都で摂食障害者を支援するNPO団体「SEED(しーど)きょうと」を立ち上げました。立ち上げ後より、「きょうと摂食障害家族教室」を開始し、平成24年には家族会「らくの会」の運営を開始しました。毎年、一般市民向けのシンポジウムや医療福祉関係者向けの講習会なども行いながら、平成25年には当事者の利用できる通所支援施設「SEEDテラス」を開設しました。平成27年10月15日に「SEEDきょうと」はNPO法人となり、平成28年度は摂食障害者の通所支援施設を「プティパ」とし、日本財団からの助成によりスタッフを雇用して本格的に施設運営を拡大しました。平成29年度も引き続き日本財団の助成を得てそれを継続、そして平成30年4月1日に、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業(就労継続支援B型事業所)として京都市から指定を受けることができました。今後も「プティパ」を中心に、摂食障害者およびその家族に対する包括的な地域支援活動を展開していく方針です。
SEED きょうとでは現在4つの活動を行っています。
・きょうと摂食障害家族教室:当事者家族の勉強会と交流会
・らくの会:摂食障害の家族会
・拒食・過食を乗り越えて:一般市民向け講演会、シンポジウム
・プティパ:摂食障害の当事者通所支援施設
法人運営と会員について
活動実績
9月「拒食・過食を乗り越えてPart12 」(講師:林利香さん)
平成19年11月 | 講演会「拒食・過食を乗り越えて」(第1回) (運営:有志、講師:「ミモザ」(横浜市)メンバー・スタッフ、以後毎年秋に開催) |
平成22年10月 | 団体設立の準備会議 |
平成23年 3月 | 「京都摂食障害者支援施設設立準備委員会」を設立 |
6月 | 「きょうと摂食障害家族教室」第1クール開始 |
11月 | 「拒食・過食を乗り越えて Part4」 |
平成24年 1月 | 家族会活動開始 家族教室・第2クール開始 |
3月 | 団体名を「SEED(シード)きょうと」に改名 家族会「らくの会」発足 |
7月 | 家族教室・第3クール開始 |
8月 | 施設設立ミーティング開始 (参加者:当事者、家族、スタッフ、平成25年3月終了) |
11月 | 「拒食・過食を乗り越えて Part5」 |
平成25年2月 | 家族向け講演会 |
4月 | 「ワーク」「トーク」開始 家族教室・第4クール開始 |
6月 | 独立行政法人福祉医療機構(WAM)助成金獲得 地域医療福祉関係者向け講演会 |
8月 | 「SEEDテラス」開所 |
10月 | 家族教室・第5クール開始 |
11月 | 「拒食・過食を乗り越えて Part6」 |
平成26年3月 | 家族会「らくの会」SEEDきょうとから独立 NPO法人化に向けた会則の改定 |
4月 | 家族教室・第6期 開始 |
7月 | 当事者の会の名称を「きょうとプティパ」に決定 |
8月 | 京都府自殺対策事業補助金の獲得 「ワーク」「トーク」「フリー」を週5日実施 「あゆみの会」との学習会開催 |
9月 | 「拒食・過食を乗り越えて Part7」 医療者向け月例講習会 開始 |
10月 | 「きょうとプティパ」の一般募集開始 家族教室・第7期 開始 |
11月 | 摂食障害支援者研修会 開催 |
平成27年1月 | 「きょうとプティパ」メンバーミーティング開始 |
3月 | 京都府若年層自殺対策強化事業補助金の獲得 愛恵福祉支援財団助成金獲得 京都摂食障害メール相談受付開始 訪問看護/ヘルパー向けの摂食障害者支援ハンドブック作成 |
4月 | 家族教室・第8期 開始 |
8月 | 摂食障害支援者研修会 開催 |
10月 | NPO法人化 家族教室・第9期 開始 |
11月 | 「拒食・過食を乗り越えて Part8」 |
平成28年3月 | チャリティー企画 現代国際絵画展 開催 (協力:ほるぷA&I) |
4月 | 「ワーク」「トーク」「フリー」を週5日(終日)で開始。 家族教室・第10期 開始 |
10月 | 家族教室・第11期開始 |
平成29年1月 | 「拒食・過食を乗り越えて Part9」 |
4月 | 家族教室・第12期開始 |
10月 | 家族教室・第13期開始 |
12月 | 事業所認可に向けて、現在の事業所に移転 |
平成30年2月 | 「拒食・過食を乗り越えて Part10」 |
4月 | 摂食障害者を中心とした女性専用通所施設「プティパ」が、障害者総合支援法に基づく就労継続支援B型事業所に指定(京都市) 「きょうと摂食障害家族教室」第14 期開始 |
10月 | 「拒食・過食を乗り越えてPart11 」(講師:鈴木明子さん) 「きょうと摂食障害家族教室」第15 期開始 |
平成31年3月 | 長岡病院主催 心理臨床ワークショップ ~摂食障害への対応 |
4月 | 「きょうと摂食障害家族教室」第16 期開始 |
令和元年9月 | 「拒食・過食を乗り越えてPart12」(講師:林 利香 先生) |
10月 | 「きょうと摂食障害家族教室」第17 期開始 |
令和2年2月 | いきいき親子会 開催 |